2025年9月22日、CAWのデプロイヤーに連なる2つのウォレットが、約90分間で大規模な資金操作を行いました。「持ち逃げ(ラグRug pull開発者が資金を持ち逃げし、プロジェクトを突然放棄する詐欺。→ 用語集で読む)の準備では?」──そんな不安に、憶測ではなくEthereum上の記録(受領書)だけで答えを出したのが、このページです。
(永久に削減)
(全て凍結中)
買い戻しに使用
ゼロ(換金なし)
この日、何が起きたのか(90分の記録)
登場するのは2つのウォレットだけ。B(デプロイヤー金庫)と、その手足として動くA(運用)です。時刻は日本時間(JST)。日本ではこの日の夜9時半から11時すぎにかけての出来事でした。
BがLP持分LPトークン流動性プールに資金を預けた証として発行される「預かり証」のトークン。これを持つ者だけが、プールから資金を引き出せる。→ 用語集で読むをAへ委譲 → Aがプール流動性プールDEXで取引を成立させるための、2種類のトークンを溜めた共有の「池」。→ 用語集で読むから回収①(291 WETHWETHETHを「ERC-20トークンの形」に包み直したもの。1 WETH = 1 ETHで、いつでも相互に交換できる。DEXでの取引に使われる、ETHの作業着姿。→ 用語集で読む+24.7兆CAW)
買い戻し①:200 WETHを8本に分けてCAWを購入(12.3兆CAW取得)
焼却バーン (焼却)トークンを二度と使えないアドレスに送って、永久に流通から消すこと。→ 用語集で読む①:16.9兆CAW(2.54%)をデッドアドレスデッドアドレス(バーンアドレス)送られたトークンを二度と取り出せない“出口のない金庫”。供給を永久に減らす「焼却(バーン)」の宛先として使われる、秘密鍵を持たない特別なアドレス。→ 用語集で読むへ
買い戻し②:残り91 WETHで25本のCAW購入(4.5兆CAW取得)
LP委譲② → 回収②(141 WETH+7.0兆CAW)
Bが残りのLPをデッドアドレスへ = 流動性の永久ロック(もう誰にも引き揚げられない)
焼却②③:Bが計21.9兆CAW(3.28%)をデッドアドレスへ
B→Aへ資金移動:60兆CAW+554,146 USDC
焼却④:41.5兆CAW(6.23%)── この日最大の一撃
7つのウォレットへ各1.000%を48秒間隔で機械的に分配
1. 検証した事実
以下の7項目は、すべて取引ハッシュ・ブロック番号まで照合済みの確定事実です。
引き揚げたのは「自分たちが預けた」流動性だった
プールの流動性は、Bが2022年に自ら供給したもの。LPトークン(持分証)の移動を単位レベルで追跡すると、発行→B→Aへ委譲→Aが回収という一本の鎖がつながります。第三者の資金を抜いたのではありません。
受領書:LP発行 blk 15865110(2022-10-31)/ B→A委譲 blk 23418597・23418879
ただし全部は引き揚げていない ── 半分は「永久ロック」
当日残っていたLP持分のうち、Aが回収したのは約半分(50.6%)。残り49.4%はBがデッドアドレスへ送付しました。LPトークンの焼却は撤収ではなく、その持分の資金がプールに永遠に残り続ける永久ロックです。プールが空にされたわけではありません。
受領書:B→dead LP 0.00180000(blk 23418912)
回収したWETHは、全量CAWの「買い戻し」に
回収した432 WETHのうち291 WETHを、33本のスワップですべてCAWの購入に再投入。33本すべてで「WETHを送った取引」と「CAWを受け取った取引」が同一ハッシュで1:1対応することを照合済みです。売り抜けの逆──買い圧でした。
受領書:計16.76兆CAW取得(0x Protocol経由8本+私設経路25本、全hash照合済)
デッドアドレスの13.92%は、A・Bの意図的な焼却だった
「使えないアドレスが約14%を保有」の正体は、A・Bによる5回の焼却の累計です。合計 92,813,469,097,807 CAW = 総供給総供給そのトークンが「全部で何枚あるか」を示す総量。焼却(バーン)などで減ることもあり、価格と合わせて見ることでトークンの実像がつかめる。→ 用語集で読むのちょうど13.922%。事故でも流出でもなく、意図的な供給削減でした。
| 誰が | いつ | 量(CAW) | 供給比 |
|---|---|---|---|
| B | 64日前(先行) | 12.46兆 | 1.87% |
| A | 当日 22:03 | 16.94兆 | 2.54% |
| B | 当日 22:40 | 12.00兆 | 1.80% |
| B | 当日 22:46 | 9.87兆 | 1.48% |
| A | 当日 22:53 | 41.54兆 | 6.23% |
| 合計 | 92.81兆 | 13.92% | |
「7つの1%ウォレット」は、受け取ったまま一度も動いていない
7ウォレットへ各ぴったり1.000%(6,666,666,666,666 CAW)を、48秒間隔・約5分で機械的に分配。その後の履歴を7つすべて調べた結果、送出はゼロ件。売却も、こっそりの分散もなく、計7.00%が凍結されたままです。さらに2026年7月4日に7ウォレットすべてを再確認しましたが、分配から9か月以上が経過した現在も、送出トランザクションは1件もありません。
受領書:blk 23419021–23419045(4ブロック間隔×7)/ 受領後outbound 0件(7/7)/ 再確認 2026-07-04 outbound 0件(7/7)
55万ドルの正体は「4年前のお釣り」── 売却益ではない
B→Aへ動いた 554,146.945589 USDC は、2022年の立ち上げ時に取得した資金から、初期の流動性供給などを差し引いた残余とセント単位まで一致します(2,504,146.945589 − 1,700,000 − 250,000)。CAWを売って得たお金ではありません。
受領書:B→A blk 23418929 / 原資 blk 14601065(2022年)
Bは素性の知れない鯨ではなく、CAWの歴史の当事者
Bは創設期にデプロイヤーから総供給の30%を託されたトレジャリーであり、2022年のTeam Finance事件でホワイトハットが返還した74.6兆CAWの受領ウォレットでもあります。初期の流動性を播種してきたのも、このBです。
受領書:Deployer→B 200兆CAW(blk 14600818)/ 返還受領 blk 15863676
2. 資金の帰結(当日終了時点)
すべての操作が終わった後、Aの手元に残ったのは以下です。
| 資産 | 残置量 | 備考 |
|---|---|---|
| WETH | 141.19 | 回収分のうち買い戻しに使わなかった残り |
| USDC | 554,146 | ジェネシス残余(上記6) |
| CAW | 3.33兆 | ほぼぴったり総供給の0.500% |
合計はおよそ78万ドル相当(名目)。なお「7×1.000%を配り、0.500%を残す」という桁まで設計された配分だったことが、数字から読み取れます。
3. 判定
7/7 PASS
換金型の持ち逃げ(ラグ)ではない ── 実体はトレジャリー再編である
ステーブルコインステーブルコイン米ドルなどに価値を連動させ、価格を安定させた暗号資産。→ 用語集で読むへの換金・退出の痕跡はゼロ。一方で、手放しの礼賛もしない。以下の両面を、同じ重さで記録する。
保有者に寄与的な要素
- 総供給の13.92%を焼却(恒久的な供給削減)
- 回収WETHの全量を買い戻しに再投入(売り圧ゼロ)
- LP持分の約半分を永久ロック(ラグ不能化)
- 1%クラスタは凍結(市場に出ていない)
抽出的・留意すべき要素
- 流動性の引き揚げにより市場の厚みは減少
- 約78万ドル相当を手元に残置(用途は不明)
- 1%クラスタの配布先の素性は不明(動いていない事実のみ確定)
結論として、この操作に「善」「悪」いずれか単一のラベルを貼ることはできません。良く見せず、悪く見せず。判断の材料は、すべてこのページにあります。
付記 ── 除外したもの・注意
なりすまし送金の除外:調査中、A・B宛に「そっくりの金額・そっくりのアドレス」からの微小送金が複数見つかりました(例:クラスタ額を模した 6,666,666 CAW、Bの末尾を模倣したアドレスからの 0.01 USDC)。これらは第三者によるアドレスポイズニング(コピペ詐取狙い)であり、集計から除外しています。
金額表記の注意:CAWのドル換算は、取引時点のスナップショット評価による名目値です。流動性の薄いトークンでは実現価値と一致しません。
手法:本ページの全主張は、Etherscanの一次記録(取引ハッシュ・ブロック番号・UTC時刻)に紐づけて検証しています。未確定として残るのは、判定に影響しない参考項目(クラスタ配布先の属性、永久ロック分のプール比率の定量など)のみです。
対象アドレス一覧(クリックで展開)
| Address A(運用) | 0xBBd07cf60Cf08ce38a80Abf30e8Ba7B2BDb7568f |
| Address B(デプロイヤー金庫) | 0xbaeEDcCcbFB112d4a921dAa635AC2276307A1705 |
| CAWトークン | 0xf3b9569F82B18aEf890De263B84189bd33EBe452 |
| Uniswap V2: CAW 2(プール) | 0x48d20b3e529fb3dd7d91293f80638df582ab2daa |
| デッドアドレス(焼却先) | 0xdEAD000000000000000042069420694206942069 |
| 0x Protocol: Settler(買い戻し経路) | 0xF3D5719F7E3b49A4c3797d56BD3FED6D3B80F0F9 |
だからこそ、信じるに足る。






