上級

大量のデータを効率よくまとめ、改ざんを瞬時に検知できる木構造の仕組み。

詳細説明

マークルツリー(Merkle Tree)とは、大量のデータの整合性を効率的に検証するための、木(ツリー)状のデータ構造です。考案者ラルフ・マークルの名にちなみます。ブロックチェーンが膨大な取引データの正しさを、軽快に保証できる秘密が、ここにあります。

仕組みはこうです。まず個々のデータをハッシュ(データの指紋のような短い値)に変換し、それらを2つずつペアにしてさらにハッシュ化する。これを繰り返して頂点まで登ると、最終的にたった一つの値「マークルルート」にたどり着きます。このルートは、元の全データを凝縮した「総まとめの指紋」です。もしデータが一箇所でも改ざんされれば、ハッシュが連鎖的に変化し、マークルルートも変わる ── だから、ルートを比べるだけで「全データが無傷か」を瞬時に判定できます。しかも、特定のデータが含まれているかを、全データを調べずに、わずかな経路だけで証明できる。この効率性が、軽量なクライアントや大規模な検証を可能にしています。

たとえ話

大きな組織の連絡網を思い浮かべてください。末端の各人の情報を、班長がまとめ、班長の情報を部長がまとめ……と上へ集約していくと、最後はトップ一人の「総まとめ」に行き着きます。もし末端の誰か一人の情報が書き換われば、その影響は上へ上へと伝わり、トップの総まとめも変わる。だからトップの値さえ照合すれば、全体が無傷かが分かる。マークルツリーは、この「階層的な総まとめ」で改ざんを暴く仕組みです。

CAWでの役割

マークルツリーは、CAWが乗るブロックチェーンの根幹で働いています。各ブロックに含まれる大量の取引は、マークルツリーでまとめられ、マークルルートとしてブロックに記録されます。これにより、CAWの取引を含む膨大なデータの整合性が、効率的に保証されるのです。また、「あるデータが確かにブロックチェーンに含まれている」ことを、全データをダウンロードせずに証明できる仕組みも、マークルツリーが支えています。CAWの「誰でも検証できる」「改ざんされない」という性質を、データ構造のレベルで根底から支える、縁の下の力持ちです。

関連用語